「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い禁じられた数字〈下〉 - 山田 真哉

「食い逃げされてもバイトは雇うな」の続編です。タイトルが「「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い」とは何という壮大な釣り。。。前回は数字の使い方の話でしたが、今度は数字の読み方のお話。今回は途中に小説まで挟まっていて、前以上に読みやすいないようなんじゃないかと。


「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い禁じられた数字〈下〉 (光文社新書)


「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い禁じられた数字〈下〉 (光文社新書)
山田 真哉 (著)
¥ 735 (税込)


数字にだまされるな

冒頭に出てくる宝くじの話ですが、

この売り場から1億円が12本出ました!

という文句につられてそこで買ってしまったり、むしろ避けたり、というのは正直相当数字に弱い人なんじゃないかと思います。でも、実際こういう人たくさんいますよね。

実際にはこれだけでなく、いかに「巧妙に作られた数字」が多いのかが、本書を読むとよく分かります。関係ない数字を出したり、根拠もなく数字を出したりするのは、注意深く見てみると、世の中相当多いことが分かります。そういう良くない数字を見抜くための訓練をするのが本書の役割です。

会計士は人生設計もうまい?

途中で、計画の話が出てきます。どこかで聞いたような話だな、と思ったら、これはよくある啓発本の内容ですね。実際によく売れている自己啓発本(勝間本とか)を書いている人も確かに会計とかそのたぐいの職業の人が多い気がします。

よくよく考えてみると、人間を改善するのも会社を改善するのも、大きさこそ違え、基本的には同じことなのでしょう。実際に会社だって人間によって動かされている以上、その人間をうまく動かさないと会社だってうまく動かないというのは考えられる話です。そういう意味で、本書は適度に良い「自己啓発」の内容も含んでいます。

タイトルから自分の前書を否定するあたり、「こいつやるな」と思わせるタイトルの付け方ですが、内容も非常に面白いものになっています。