スタバではグランデを買え! - 吉本 佳生

本書は身近なものの値段について、経済学的になぜその値段がついたのかを考えていくことにより、物の値段の仕組みを考えていこうという本です。それぞれ、かなり身近な話題ですので、毎日接していると、理論的にはうまく説明できなくとも、何となく皮膚感覚として理解できている、というものばかりです。それをうまく理論的に解きほぐして説明してくれる、とてもわかりやすく素晴らしい内容となっています。


スタバではグランデを買え! —価格と生活の経済学


スタバではグランデを買え! —価格と生活の経済学
吉本 佳生 (著)
¥ 1,680 (税込)


身近な経済学

この本が非常にわかりやすいのは、何といってもその例がとても身近であるためでしょう。たとえば、コンビニのお茶の値段から、電化製品、携帯電話の料金プランと、どれをとっても普段の生活に密着したものの値段になっています。さらに言えば、そのどれもが、多くの人は一度は疑問に思ったことがあるものになっています。

なぜ同じお茶でも店内と自動販売機で値段が違うのか、なぜ電気店はみんな固まって出店しているのか、なぜ携帯電話の料金プランはあんなに複雑なのか。そのどれもを「コスト」という一点で説明してくれているのが、本書の分かりやすさの最大の特徴です。

身近な例から考えていく

この前の「食い逃げ」もそうですが、経済や会計だからと言って、取り立てて構えることなく、身近なところから考えていくことが、わかりやすさの秘訣のようですね。確かに、毎日お金を使って買い物をして生きている以上、経済や会計と無縁で生きているはずはありません。ただ、なぜそうなるのか、を突き詰めて考えたことがないだけで、「感覚的に理解している」という人がほとんどなのではないでしょうか。

経済や会計のように一見難しそうなものでも、取り立てて構えずに、身近なものから考えていくのが良さそうですね。