Joel on Software - Joel Spolsky
ソフトウェア開発の様々な部分について考察した名著です。エンジニアに限らず、ソフトウェア開発に関わっている人ならば、マネージャやデザイナ、営業でも読んでおくべき本だと思います。内容も必ずしもプログラマに対するものだけではなく、ソフトウェア開発に携わるすべての人に向けて書かれた本になっています。
Joel on Software
Joel Spolsky (著)
青木 靖 (翻訳)
¥ 2,940 (税込)
ソフトウェア開発について現実的に論じる
この本が何よりもおもしろいのが、現実に即した話になっていることです。ソフトウェア工学のよくある本のように、正しいことはよくわかるのだが、実際に実行しがたい、というものとは一線を画し、実際にソフトウェアを作る過程からできあがった、という感じの内容になっています。
結構細かいレベルの、実際のコードをどうすべきか、というような話から、開発戦略をどうするか、エンジニアとしての仕事の仕方はどうすべきか、など大きな話まで、内容は多岐にわたります。
たとえば、技術者によくある誤解なんかも解説されています。
Napsterが興味深いのは「ピアツーピアだからだ」と考え、「歌の名前をタイプすると即座にその曲を聴けるからだ」という肝心な点を見落としてしまうのだ。 - p128
また、ソフトウェアの販売戦略なんかでも、おもしろいことが書かれています。
既存のマーケットに入っていくためにあなたがしなければならない最も重要なことは、乗り換えへの障害を取り除くことだということである。 - p297
こういうことに少しでも思い当たることのある、エンジニア・マネージャ・デザイナ、営業、その他諸々のソフトウェア開発に関わっている人ならば、一読の価値があります。