「分かりやすい説明」の技術 最強のプレゼンテーション15のルール - 藤沢 晃治

プレゼンが分かりにくいと言われてしまったため、プレゼンの本を読んでみました。これは「人間はどうやって理解するか」を考え、その「理解の仕方」の観点からプレゼンテーションをよくするためのコツを書いた本。短いのでプレゼンテーションに困っている人は一度読んでみるといいかと思います。


「分かりやすい説明」の技術 最強のプレゼンテーション15のルール ブルーバックス

「分かりやすい説明」の技術 最強のプレゼンテーション15のルール ブルーバックス
藤沢 晃治 (著)
¥ 840 (税込)


人間の「理解」を助ける説明をする

この本では人間の脳が「理解」するために行うことを5つの作業に分けています。たとえば情報の大きさ。これはいっぺんに話されると理解できないという部分に当たりますね。そのように分類した脳内作業をもとに、これを事前に代わりに話者が行っているのが分かりやすいプレゼンテーションだ、という主張。確かにそうかもしれません。

とはいっても、別にむずかしい話ではなく、その内容を聞くと確かに「あー、確かにそれはそうだな」と思える内容。それを15個のポイントに整理しています。むしろ、プレゼンテーションを劇的に改善するテクニックというより、プレゼンテーションで「最低限行っていなければならないポイント」という感じ。それゆえ、この本に載っていることをできていないことは致命的です。

本書の問題

この本の問題は「具体例」の乏しさでしょう。確かに比喩表現による説明はちょくちょく出てきます(個人的にはこれも少ない気がしますが)。しかしそれを実際のプレゼンテーションで行うと、悪かったプレゼンテーションがどういう風に変化して、それをやるためにはどう直せばいいか、という部分が非常に足りていないという感じ。

ただ、この本をチェックリストとして、目の前にある自分のプレゼンの問題点を把握するのにはとても役に立つのではないでしょうか。