イヤな人がいる!―苦手な人とうまくつきあう方法 - 本多 時生

誰しも嫌いな人や苦手な人の一人や二人いるもんです。この本はそんな人たちとどう付き合っていけばいいのか、ということを「自分の考え方を変える」という視点で、改善して行こうという本です。基本的には「考え方を変える」という本ですので、急に劇的に変わる内容ではありません。ただ、この本を読むことで、今の自分の考え方が多少なりとも変わるかな?という感じの本です。

イヤな人がいる!―苦手な人とうまくつきあう方法

イヤな人がいる!―苦手な人とうまくつきあう方法
本多 時生 (著)
¥ 1,260 (税込)


あらすじ

世の中には"イヤな人"というのはたくさんいます。しかし、そういう人と係わらざるを得ない場面もありますし、もちろんそういう人を変えてしまうこともできません。この本の内容は、そういう"イヤな人"との付き合い方を、自分の「考え方」を変えることによって、多少なりとも楽にしていこうということ。イヤならイヤでもいいのです、気にしなければ。イヤな人のことをあれこれ考えることの方が損です。

気楽な内容

この手の本には、大仰な内容で、「そんなことできっこねーよ」と思う内容が多いのですが、この本の物は比較的すんなり受け入れられるものが多くなっています。今の自分をそんなに大きく変えることもなく、相手に何をするわけでもなく、今より多少嫌いな人との付き合いが楽になる、そういう感じの本です。

本の中にはこの考え方という「心の声」的なものが出てきます。これが比較的当たってるかな、と思える内容のため、すんなり納得できるようになっています。たとえば

不幸になる考え方 「あの人のここがイヤだ」
幸せになる考え方 「いっしょにいない時には、イヤな人のことを考えるのはよそう」 - p30

不幸になる考え方 「人づきあいが苦手」
幸せになる考え方 「(ここは/いまは) このままでいい」 - p138

という感じです。これなら、こういう風に考えられそうですよね。

問題点は具体的方法がないこと

この本の一番の問題点は、具体的な考えの変え方が載せられていないこと。自分の考えかたというのは、自分で誘導しているように見えて、結構自分では操れないものです。そのため、本書で言っている「考え方」にいかにして修正するのかがわからなく、難しいのです。しかも、こういうイヤな考え方というのは、一度はまり込んでしまうとなかなか抜け出せないもの。わかっちゃいるんだけど、変えられない、そういう性質のものです。

そのため、本書の考え方を実践するには、その変え方を自分で考える必要があります。いわば本書は「理論編」で「実践編」は自分で試行錯誤するか、他の本を探せということ。ただ、その実践方法さえ見つけられれば、本書の内容は非常に良いものだと思います。