私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる - 齋藤孝 梅田望夫

梅田望夫氏の対談本の新刊です。内容的には齋藤さんと梅田さんがお互いの「仕事論」について熱く語り合い、そこから仕事に対する何かを見つけていくという感じです。二人の対話がいい感じで、ちょうど梅田さんの前著の「ウェブ時代をゆく」で語りきれていなかった部分や取りこぼした部分を、齋藤さんが埋めていくという感じの、前著を補っていくような内容になっています。仕事に対する考え方が少し変わるような本です。僕のような新卒の人にぜひ読んでもらいたい本ですね。


私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書 (723))
私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる
齋藤孝
梅田望夫 (著)
¥ 714 (税込)


ひたすら続けること

齋藤 水に入りきらないゆえの苦しさを避けるためのひとつの工夫としては、自分の人生を「時期」で考える、区切りで考えるといい。この三年、この五年、この十年はこの水に入ってしまうと決める。冷たい水で肌に合わないかもしれないけれど、とにかく入ってしまう。 - p122

自分が新卒なこともあってか、この本の特に企業とそこで働くことについての部分が特に考えることが多い部分でした。どんな企業といえど、その企業が自分にとって全くの無駄であることはありません。単純に自分の食わず嫌いなだけかもしれません。そんなよくわからないことで躊躇しているくらいなら、一度決めてどっぷり入ってしまった方が良い。結局中途半端に迷っていることの方が、自分にとって無駄な時期になってしまうわけです。

会社というのは融通無碍で、能動的に動くと、いろんなことが通る。 - p126

どうせやめようと思うくらいなら、働きかけて失うものなんてなにもないのにね。 - p127

本気で自分にとってあっていないと思っていて、やりたいこともできない、やめたい、と思っているのであれば、周りの評価などを気にせず、自分の意見を言って、自分なりの行動ができるはずです。自分含めて最近の人は確かにそういうことができる人が少ない気がします。「下手に動いて自分への風当たりが強くなったら・・・」という風に考えているのですが、むしろそんな風に自分で勝手に考えて、自分の行動を抑制してしまっていることの方が問題なわけです。

特に自分自身がちょうどこの本の「対象読者」であるので、かなり考えることが多い面白い本でした。社会人成り立てだったり、多少自分の会社・仕事に不満を持っているような人にぜひ読んでもらいたい本です。