投資戦略の発想法 2008 - 木村 剛

日本の投資本の名著の最新版です。株式投資やなんかをちょっとやってみたいという人には、やる前にとりあえずまずこの本を読んどけ、と言いたくなるような本です。ほかの投資の「技術」を語る本と一線を画しているのは、何といってもその心構えまで説いているところ。この「投資以前」の部分がしっかりできない人は投資なんてしないほうがいい。


投資戦略の発想法 2008 (2008)
投資戦略の発想法 2008
木村 剛 (著)
¥ 1,890 (税込)


投資の基本「以前」の部分が大事

財産形成に向けて長い航路を旅するため、個人投資家は強力な二つの基本エンジンを持っています。

  • (中略) -

一つ目は仕事からの収入です。あなたの仕事のパフォーマンスです。要するに給料です。

  • (中略) -

そこでもう一つの即効性があるエンジンが重要になります。
それが先ほどから説明している「節約」なのです。 - p82

最も重要でありかつ効率的でなければならない投資は、自己投資にほかなりません。 - p87

本書は冒頭から「投資本」とは思えないような内容が続きます。まず投資をする上で一番大事なのは、なぜ投資するのか、を考えることです。普通は自分の暮らしをよくするため、だと思います。そのために取れる方法は「金融投資」しかないのでしょうか?

本書のすごい部分は、まず最初にこの部分を徹底する部分です。お金を稼ぐのであったら仕事を頑張って給料を上げる方法がまず一番の正道のはずです。実際に真面目に仕事をして給料を上げたほうが、今の金利目当てよりよっぽど上昇率が良いはずです。

なぜ投資をするのか?

じゃあ、なぜ投資が必要なのかというと、どうしても自分だけではどうにもならないことが存在するからです。いくら給料が上がろうとも、物価がそれ以上に上がったらどうしようもない。そういう時に役立つのが、この投資戦略であり、実際にはそういう部分も考えて投資をしていくべきなのです。

この本を読むと、投資は決してギャンブルのように危険なものではなく、また一躍大金持ちになれるような夢のツールでもなく、地道に着実に増やす方法である、ということがよくわかると思います。