Code Reading―オープンソースから学ぶソフトウェア開発技法 (5)

コードリーディング最終回です。最後はシステム全体を眺めた時のそのアーキテクチャ、また全体の総まとめとして実践的な例の解説です。


Code Reading―オープンソースから学ぶソフトウェア開発技法
Code Reading―オープンソースから学ぶソフトウェア開発技法
トップスタジオ (著)
まつもと ゆきひろ (著)
平林 俊一 (著)
鵜飼 文敏 (著)
¥ 5,460 (税込)


ソースの全体像を眺める

アーキテクチャとはいわば、ソースコード全体の構造の特徴にほかなりません。たとえば集中型、分散型、オブジェクト指向、階層構造などのソースコードの構成や、イベントドリブン、状態マシンなど、駆動方法や、さらにはパッケージの作り方なども、ソースを読む上では非常に役に立ちます。

プログラムのアーキテクチャがわかるということは、すなわちソースコード間のつながりがわかることにほかなりません。一つのファイルで構成されているプログラムは別ですが、多くのプログラムのように、複数のプログラムのパーツが協調して動いているプログラムではこの結びつきの理解が非常に大事になってきます。

実践的進め方

今までは一つひとつ分解してみてきましたが、最後はすべてを合わせた実践的な内容です。

実際に自分でコードを見ていく時は、今までのさまざまな要素が絡まったものを自分で読み解いていく必要があります。その時具体的にどのようにしていくのか、を簡単な例で紹介しているのがこの章です。

もちろん人によってそのプロセスが変わったり、相手となるプログラムによって変わります。ただ、一つの実際の進め方の目安としては面白いかなと思います。

全体まとめ

個々の部分を見ていけば(データ構造とかアーキテクチャとかプロジェクト管理とか)それぞれに特化した本というのは、本当に多種多様にあります。しかし、「コードリーディング」という側面に特化し、全体を概観したものはあまりないようなので、この「コードを読む」ということの概略を知りたい場合には非常にいい本だと思います。

実際には、ここからさらに必要な部分については詳しく学んでいく必要がありそうですが、入門書としてはいいかなという感じです。